口語訳にカムロギノ命(高御産霊

分類1-5
質問口語訳にカムロギノ命(高御産霊神)とありますが、カムロギノ命と高御産霊神は同じということでしょうか?それとも何らかの働き(機能)が現れる環境を指しているのでしょうか?
回答白川学館入門講義集にはカムロギノ命(高御産霊神)、カムロミノ命(神産霊神)と表記してあります。西野様がご指摘して頂いた通り、環境や場という観点においては同一である為、このように表記させて頂きました。ただ、カムロギ、カムロミという言葉自体は非常に古い言葉で、古事記や日本書紀には記載がありません。文献学的、解釈学的にアプローチする方法が一般的には取られているようです。 岡田米夫先生の著書『大祓詞の心 大祓詞の解釈と信仰』(神社新報社)をご一読頂ければと思いますが、神社庁の解釈は古事記や日本書紀に出てくる神々(高御産霊神や神産霊神、伊邪那岐や伊邪那美)を内包した神として、カムロギノ命とカムロミノ命を捉えております。男女の祖神としての位置づけです。 一方、白川学館では、言霊学的にカムロギ、カムロミを捉えていきます。『カム』とはカミを意味するアイヌ語由来の言葉であり、『ロ』は漢字の『呂』を見てもわかる通り、複数を表す言葉です。つまり『カムロ』とは、単一の神様を指す言葉ではなく、複数の神々を内包する言葉として使われています。そこから更に、有性生殖的な『ギ』(男)と『ミ』(女)の二つに分かれた、と。 生物学的な進化の過程と同じように、人間の思考や論理も進化しています。数百年前の定説が、現代においては全く異なる場合も多々あります。何が正しくて、何が間違っているかではなく、人類は思考や意識を変化させ続けながら生きている。ただそれだけのことです。 文献学的な解釈をとれば、古い文献に記載されている原理や論理のみが正しいかのように思い、古いものだけに目が行きがちです。しかし、古くから伝わる説明知を蓄積した上で、新たな思考や概念を構築していくのも神を掴んだ人類のなせる業であります。 創造原理や創造論における概念は、大きく以下の二つのパターンがあります。 単数から複数が創造される原理(1→2)。 複数から単数が創造される原理(2→1)。 これらの創造原理も時代の変化や人類の進化を通して、常に納得のいく形や解釈として落とし込まれています。ちなみに、白川学館における創造原理は、古事記に即して、天之御中主神・高御産霊神・神産霊神の三位一体的な理論で展開されます。 ※大祓詞全般にわたる解釈や唱える言葉の説明に関しては、岡田米夫先生の著書『大祓詞の心 大祓詞の解釈と信仰』(神社新報社)がお役に立つと思います。 ※幣立神宮は、主祭神として神漏岐命・神漏美命・大宇宙大和神・天御中主大神・天照大神を祀っております。
回答講師櫻井慎也

大祓最大の謎、「天津祝詞の太祝

分類1-5
質問大祓最大の謎、「天津祝詞の太祝詞事」の白川神道の見解はいかがでしょうか?
回答特に伝承されていることはありません。また、「とほかみえみため」や「ひふみ祓い」の言葉の意味も伝承されていません。しかし、その意味を知らなくとも、祓詞の言霊の力は、発動します。むしろ、意味にあまりとらわれてしまうと、純粋な言霊の発動が損なわれます。淡々と、祓詞をあげることが、「祓いに始まり祓いに終わる」です。
回答講師七沢智樹

ひふみの祓いは数の大きさを示し

分類1-5
質問ひふみの祓いは数の大きさを示しているのですか?その他の意味は?
回答数の拡がりを表しています。10の38乗までの広がりをもっています(最初の「ひ」から「と」までで1~10。「も」から10の乗数で数えて「け」が10の38乗)。またその反対に、10のマイナス38乗までミクロの世界に収縮していくともとらえることができます。
回答講師櫻井慎也

問答の中にあった、ひふみ祓いの

分類1-5
質問問答の中にあった、ひふみ祓いの10の38乗という数字には特別な意味合いがあるのでしょうか?この数字の意味を教えて下さい。
回答一二三祝詞は、数の展開という意味があります。「ひふみよ いむなやこと」までで一~十です。そして、「も」=百=十の二乗、「ち」=千=十の三乗 となります。「も」以降は二乗の展開とみているわけです。そうすることで、最後の「け」は、十の三十八乗となります。同様に、縮小する方向は、十のマイナス三十八乗となります。
回答講師七沢智樹

祝詞にはなぜ母と子を犯し…とか

分類1-5
質問祝詞にはなぜ母と子を犯し…とか恐ろしい言葉が並ぶのですか?言霊ならその言葉がその行為の意識をよんでしまうことはないのですか?
回答これは、多くの方が疑問に思う点です。以下の2点を理解する必要があります。①一つ目は、大祓は、「公」のためにあるということです。この世には、ありとあらゆる罪・穢れがあります。想像することすらつらいものもたくさんあります。しかし、それらがこの世に存在する以上、祓い清める必要があるのです。②二つ目は、言葉に出すことで清められるということです。すべての罪、穢れを祓うのが大祓いです。その際に、その罪穢れの中でも、とても罪深いものを口に出したあとに、それらが根の国底の国に吹き送られましたと唱えることで、言霊の力により、それらが祓い清められるのです。最初の内は、祓詞の「公」の意味が理解できない場合もあります。その場合は、それがわかるまで、大祓抜きで上げていただいてもかまいません。
回答講師七沢智樹