裏支え、という概念を天孫族と出雲族

分類1-12
質問裏支え、という概念を天孫族と出雲族でご説明いただきましたが、「表舞台には見えてこないが、その運営の大部分を担う」というような意味でよろしいでしょうか。
回答「裏支えという概念を天孫族と出雲族で」云々 1) それは主に古代宗教精神史などに依拠したモデル設定です。しかしモデルとはそもそも「ある強調と、ある捨象」とで、テーマをくっきり浮上させる表現法です。危うさも伴います。 ① 純古代史学の人々からは諸々クレームも参りましょう。天孫族とは何か?渡来系のことか?例えばスサノオの尊は天孫系、出雲系のどちらなのか?私としても痛いところで確とは答え切れません。 ② また出雲も一色ではありません。千家・北島両国造家の他に、(見えない、見てはいけない)古上官(こじょうがん)と言われる旧家筋があります。けっこう厄介です。 2) なお、海人族(あまぞく)という日本史にとって重要な筋もあります。出雲のように 国譲りなどの表現はありませんが、古代のある時期から日本王権史の裏方に回る選択をし、独特な形で支えたと思われます。研究者はあまりいません。因みに、古代において「海は神の領するところ」であり、王権確立のためには「海神の承認」を要しました。それが古層伝統となって、ある意味今日に続いています。(例えば小和田家、川島家は共に海人族系です。) 「その運営の大部分を担う」云々 1) これは小生にもよくわかりません。但し千数百年から二千年の長期に亘る天皇家は、 史上、相当入念、複雑、かつ大胆な裏支えがあればこそ存続し得たと思われます。 時代や世界との知恵ある調整などが伏在したはずです。例えば昨今は中世以来の宮家の存在などが、そうした角度からやや注目され出しています。 2) そして世界の激動期に入りつつある現在、皇室も大きな変動期に至ったかと察せられます。ゆえに(表立ってではないにせよ)大調整期にして大試練期に入ったか、とも存じます。
回答講師能澤壽彦