0024話:2016年12月22日

◇お祓いの間の中に、一日がある

我々は過去形でロゴストロンに入れる文章を書いています。要するに、文法的には過去形とか、未然形とかいうんですけれども・・・。祓いは、未来も過去も現在形も、現在進行形も全部使うんですが、未然形ということは今、この言葉を発しているんだけれども、未来が終了するといいますか。昨日のお祭りでもそうですが、お祭りというのは予祝。「予」というのは予めということで、予めお願いして、春の桜の花がいっぱい咲いている時に、稲の花というのは似たような白い花なんですが、そして、春にいっぱい桜が咲いているのと、稲の花が未来に対して同時に咲いたというふうにして未然形をとって予祝をするわけですね。

そうなるようにと。その間、一日だけ咲く稲の花が見事に咲くということが桜の花と祭りとなっています。なにもただ飲めや歌えと、桜の下で楽しむだけではない。元々は農耕儀礼だったわけですね。そういうことが祓いでいうと、大祓だと普通は年に二回ですが、今、我々は毎日やっています。現代は大変な時代ということでもありますが、一日の間、何もなく、悪いことが起こらないようにということを朝お願いというか、お願いだけではなくて、それが実現したという意識で祓いをするんですね。未然形の祓いというかですね。それが過去形になっているということを前提として、一日をはじめるというかですね。もう少し加えますと、お祓いをしている間の中で、一日の全てが起こり、そして解決するというような内容ということですね。

ですから、一日のことの、つっかえだったり、みんなの中では呼吸が合いにくいとか、そういうものが、祓いの中で不思議と自然と合っていくんですね。お祓いの間の中に、一日があると見てもいいと思います。祓いが終わったら、それが一日の、あるいは一週間の問題の解決になっているというような祓いですね。

◇夢も自分自身の中の祓いでもある

我々は、それを夢にもしていますね。夢というのは基本的には一日の出来事を自分の中で整理して、記憶しています。整理して、これはしっかり覚えておこうとか、忘れようとかですね。要するに、自分の気になることが消極的な中身だと、どうしても残ってくるんですね。昨日、こういうことがあったけれども、また今日もこういうことがあるのではないかと思うと、また夢の中で繰り返していくわけですね。それを整理できないと悪夢になるわけですね。あるいは予知夢というか、またこうなってしまうということを脳の中に書き込みをすると。自分が意識的に書き込みをすると、鬱などの色々な症状が出てくるわけですね。そういうものをしないために、我々は普段から自分の中の夢というものも本来は綺麗に整理するだけではなく、新しい希望というか、そういうものに変わっていくのだけれども。それができないで、夢を見たときには、聖徳太子のときは夢違観音(ゆめたがえかんのん)といってですね、悪い夢を見たら、後で反対の良かった夢に変えてしまうという観音様がいるんですね。

僕もネパールで十何体か作って、みんなに配ったことがあります。ある意味、夢も自分自身の中の祓いでもあります。それを合理的に基づいたものにするのが、朝の大祓になっているのだと。未然に祓って、こういうことができるようにということが叶ったというふうに過去形にして、お願いするということが、一日の良い事の手続きになります。手の打ち方もそうですね。それは、そのことが自分で納得できたという意味の柏手なんですね。三三七拍子とか、一本締めとか、そういう意識でやりますけれどもね。そういう事の起源が拍手の所作の中にあるんですね。

元々は人と人が出会ったときに柏手を打って、人に挨拶をしていたということがあるわけです。そういう意味で、神様への挨拶の拍手は、非常に大事なことであります。

◇未然法の祓い

一日の祓いの中の前後の儀式の中でやっている。大祓の効用をいうわけではありませんが、朝、祓いをあげることで、みんなで仲良くとか、一日無事に過ごせるということが可能になる。松下電器がみんなで宣言文をいったりするのを、今でも各会社でありますけれども、一つの自分自身とそういう神というものを立てたときの迎え方ですね。自分という遠津御祖神、先祖というものに一つひとつお願いする。あるいは、実現できたという想いで一日を生きるということの中身ですね。そういう意味では、企業として考えても、別にこの方法が、悪いわけではない。非常に役に立つと。そういうふうに思います。

昨日の予祝では、日時計を立てるという儀式でいうと、一番日が短いときにはじめましょう、そういう意味での日時計を立てました。また、次の冬至までの一年あるいは、また次の冬至まで平穏に過ごせますように、太陽の巡りが良い循環できますように、というような意味ですね。予祝であり、未然法の祓いであるということが、神道の祓いだということをご理解いただければ有り難いかなと思います。

本日もありがとうございました。