0069話:2017年02月27日

◇一日の中で疲れを解消していく

昨日、稀勢の里が横綱の報告の為に祝殿に来ました。太刀の火入れと初打ちを、伊藤重光さんのところでやってきました。

大きな転換というか、いよいよ春というか、丁度、玄関の梅は咲きました。「梅は咲いたけれども、桜はまだかいな」という江戸時代の歌ではないですが、丁度その期間というのが、寒さとかもありますが、桜が咲くまでに身体が弱ってしまうということがあるんですね。そんな時に、体調を崩したりすることもあるかもしれません。春だからと言って、一生懸命やろうとすると、春眠暁を覚えず、ではないですが、眠くなって出てきたりと・・・。

人間は広葉樹ではないから、落葉して休むことが出来ません。一年中、水を上げて元気に生きなければいけないという宿命がありますけれども。熊みたいに寝ていれば、春に元気に活動出来るかもしれませんが、この時期、体調が非常に落ちるから体のリモデリング、新陳代謝を毎日毎日していくことが必要だと思います。その為に、睡眠と栄養が必要だということがあります。水はなるべくみんなに飲んでもらおうと供給していますが、他のところは供給が難しいこともあるからですね、今日のように、昼食が弁当になってしまうこともあります。栄養も休養も、非常に大事なところだと思います。

ここは土日もみんな働いているので、ローテーションや休んでいるんだろうかと不思議に思うかもしれません。ここは、全体では一年中働いているような形をとっているから、非常に休みがしっかりと取れないということもあります。なので、一日一日の中で疲れを解消していくことも大切です。

◇寝禅

だからと言って、夜更かしして本を読んだり、遊んだりすることも悪いとは言いませんが。修行というのは、そういう時間も行に励むということが修行に繋がるんですね。だから、睡眠の行があるかどうか知りませんけれども、横たわって自分を休めないといけないということを、禅なんかでは寝禅ということはないけれども、歩行禅、立禅、座禅ということもありますが、僕は寝禅もあれば、触禅、体が地球に触れているということも禅だろうと思っています。そういう意味で、しっかりと寝るということは、仰向けに横たわるとしっかりと骨休めが出来ると。

◇重力一の仰向けでしっかりと休む

要するに、重力対応医学ではないけれども、重力を普通は我々は座っていても、立っていても重力は2なんですね。心臓の血圧というのは90以上というかね。90以上の圧力をかける為に、重力は2になりますね。重力1にしないと休めないということですね。骨の中の栄養は休まないと出来ない。ということは、血液がちゃんと作れなくなるということになります。赤血球、白血球だけではないですけれども。必ず仰向けに、小の字でも、大の字でもいいので寝ると。目は開けていてもいいけれども、なるべく重力1にしていけば、リモデリングと言って、正しい細胞のローテーションが出来ないわけです。それが細胞のリモデリング、新陳代謝です。新陳代謝というのは、明治の頃、夏目漱石が付けた言葉ですね。リモデリングということを、日本語の新陳代謝と言い換えた人が夏目漱石。それを今でも使っているわけですね。そういうリモデリングすることが大切なことで、人間の60兆の細胞が3ヶ月で入れ替わる。正しくDNAが伝わって、正しい細胞になるようにということをやるわけですね。その為に、骨休めということで仰向けにしっかりと寝る。

僕はある進学校のPTAの会長の時、その話をしたら、校長先生に、頼むからそんな話はしないでくれと言われたことがあります(笑)。四当五落という時代だから、そんなことを言って、ひんしゅくを買って、鈍ってしまったというか。入学式に、そういう話をしようとしましたら、絶対やめてくれと言われました。

やはり睡眠というのは一番大事ですね。人生の3分の1は寝ていると言いますけれども。眠るということによって、リモデリングが起こるんだけれども、要するに仰向けにならないと重力が1にならないと。重力対応進化学というのは、そういう進化ということですね。絶えず動いていないと死んじゃうということは、魚でもあるわけですが。魚が両生類になり、爬虫類になったという進化論を受け入れて、それが更に哺乳類、そして、我々のように這わないで立っているということになると、重力対応進化学というものに根拠を置いて生きなければいけないということもあって、一つの新しい進化にもまだいっていないので、そこのところを気をつけながらいかないと・・・。

血液の病気になって、そこから全ての臓器の病気になるという、その辺を考えながら、目を開いていてもいいけれども、仰向けになって寝るということをすることが、健康の大事な部分でありますね。そういうことはあまり言われていませんが、日本人は睡眠時間が少ないということも言われます。

◇慣れる時に気を抜く

そういう意味で丁度、大きな一年間の気を抜く部分というか、春が来たということで、体が緩んできた時が一番危ないと。慣れる時というか、新しい季節に移る時に、最初に上手く慣れないと、その季節に上手く生きられないということがあるということを皆さんにも知って頂きたい。そういう面では、人間というのはいつも油断ならないですね。もう3月になり、全体会議ということになります。大きく移る時に、気を抜けないということがありますね。

今日、初めてお祓いが止まってしまいましたね。これは言ってみると、大ちょんぼというか、ミスというか、これは私がいけなかったのですけれども。しっかりと誰かが正確に把握してあげていないと、みんなが止まってしまうということも起こるわけですね。止まる理由は色々とありますが、一つは、音頭というか、拍子というか、日本の音というものは音頭を取るということがあるけれども、このお祓いは、誰も音頭を取っていないわけですね。誰が先に行くということもなく、「謹上」ということを大祓については言いますけれども、普通は、せいの、ではないですが、一緒にあげていきますね。江戸時代は、鈴を鳴らして、始めの音頭を取るということがあったと言われていますが。このくらいの少人数では、自然にまとまってくるということがあります。口だけ動かしてあげているというかですね、口祝詞と言うんですけれどもね。結果がそうなってしまったと。もちろん、瞬間瞬間はそういうことも起こると思いますけれども、そこをしっかりと意識して、自分が宇宙の中心からあげていくということをするということが大事なことですね。そういうものがお祓いですね。どんどん、スラスラ出来るようになったという感じであげるということをすると、それが口祝詞に繋がるんですね。それは一番長くあげている私が、自己自身に注意しないといけない点ですね。昨日でもって、大きな転換があったので、次の段階に行く時のホッとしているところがあるんでしょうね。

生きているということにおいては、ホッとしているということが一度もなく、ホッとして息を止めていれば、苦しくなってまた息をするとは思いますが、そのまま息を止めていれば、そのまま息を引き取るということにもなってしまいますね(笑)。そういう意味で、生きるということは油断ならないわけですね。息をもらったら、最後まで息を抜かないで生きるということが生きるということの本分ですね。

◇早気

今回、生きるということを当たり前にしているということを、息ということをもう一度、戻ってやると。今回のお祓いの中で言うと、意識の中に早めにあげなければいけない。これは早気というのですが、それがありました。私もよく陥ります。皆さんゆっくりだから、もうちょっと早くした方が良いかなと思うこともあります。母屋では1.3倍くらいの速さでやっていますが、それが必ずしも良い訳ではない。祝殿でやる場合は、初心者もいるので、ゆっくりでもいいし、ゆっくりが丁度良いのかもしれないし。また母音が伸びるということを確認しながらいけるという良さもあるわけだから、そういう意味で、速さというのはゆっくりでもいいと僕は思います。ですから、早い人とゆっくりな人との交流が起こっているわけですね。なので、色々と出てくるかもしれませんが、そんなに焦ることなく、今、我々のあげるお祓いで良いと思います。心配することではない。音頭を自分が取りたいという気持ちがあったならば、音頭を取るということもない、ということを自分の心に入れてあげると。みんなが安心して、平安清明ではないですが、平らけく、安らけく、清らけく、明らけくあげる大祓、祓いがあると非常に良いと思います。そんなことを今日、感じました。

いよいよ3月になります。もう3月ですね。新しい月を迎えるのですが、非常に早いですね。今の時代なのか、大きな転換点なのか、若いとか年をとっているということは関係なく、早い気がします。ですから、それは時代も高速で、我々の能力の開発も高速でやろうということであるから、意識はしっかりと高速で回しながら、落ち着いていくと。その矛盾した両方を、自分の中でしっかりと存在させて、なお調和するようなこと、意識をどこかに入れておいて頂ければ安心していけるのではないかと思います。

今日はありがとうございました。