0092話:2017年04月06日

◇瀬織津姫の神様

いよいよ新しい年度ということでもありますけれども、丁度、ロゴストンセンターも綺麗になったし、また、そこのブドウ園のところも変わります。

今日はですね、瀬織津姫神のことをお話します。これは伝統で、中村新子先生がよく仰っていたことであります。掃除の神様が瀬織津姫神様ということになります。雑巾を大事にしています。宝塚の伝統は、実は白川のスタイルなんですね。それがはっきりと分かったのは、小林一三の血縁であったYさんのおばあさんが、山梨英和学校というところで89歳まで理事長をしていた有名な方なんですね。矢崎園さんです。103歳で私もお送りしたのですが、もちろん立派なキリスト教徒でしたけれども、本当の信念のところはどうか分かりません(笑)。宝塚の教えた作法を引き継いでいたんですね。お掃除を徹底的にするというのは瀬織津姫神ということで、宝塚の校長先生に、小林一三さんが学びに行けと言ったそうです。宝塚の校長先生が白川家の門人で学んでいて、それを取り入れたということなんですね。

これは京都一燈園で言うと、常不軽菩薩(きょうふきょうぼさつ)というお掃除の菩薩様がいらっしゃるんですね。一番底辺で大事なお掃除をする仏様ということなんですけれども、要するに、お掃除というものはみんな嫌がるんですね。今は色んな掃除をするロボットもありますが、我々がお掃除した時に、どういう心の変化を起こすかということが非常に大事なことなんですね。気が変わるんですね、お掃除を真剣にしだした瞬間に気が変わるんですね。

◇掃除すると場所全体に気が行き届く

「たきつはやかわの瀬に流します」瀬織津姫神ということですから、最初のお掃除というか、雑巾を洗う時、早く揉み洗いしますけれども、早さというものが一つあるけれども、瀬織津姫神の働きということでもあると思います。

我々が、掃除が好きとか、嫌いとか、心地よいということではなくて、心地よいということは経験しないといけないのですが、心地よさというのは、気が変った後の感覚なんですね。それを一度体感すると、掃除することが苦にならないというか、掃除すると場所全体に気が行き届くということなんですね。どの会社でも、入り口の掃除具合で、瞬間にどんな会社か分かると言いますね。やはり気が充実しているかが、言ってみれば境い目みたいなものになります。

折角、虹のような階段があってもですね。高濱浩先生がよく仰っていたのですが、綺麗にしておくと、ちょっとした汚れでも、よく目立つと言われたんですね。逆に気がついて、いち早く綺麗にするようになるというかですね。鏡もそうですけれども、磨きに磨くというかですね。剣もそうです。本当にわざわざ錆びない剣ということで、隕鉄で御神体を作るわけですね。鏡もそうですね、磨かないでも錆びないわけですね。水晶の玉でも、ミクロ単位で綺麗に磨き上げているんですね。それが三種の神器なんですね。

◇掃除の極致

今、作っている鏡というのは、世界で一番平らな鏡を作ってくださっています。今また、世界で一番平らな鏡で、最高の技術で作り上げているのですが、これは本当にチタンですから、熱を吸収して黒い鏡となっています。ちょっとでも傷があったら台無しになってしまうものですね。

三種の神器というのは掃除の極致なんですね。そういう極致の世界を、我々は御神体としているということです。当然、大祓も瀬織津姫神は「さすらい失い給ひてん」と。その境地というのは禅で言う、円相ということになりますね。そういう世界が心地よいという生き方なんですね。掃除が自分で面倒くさいとか、嫌だと思うんだったら、必ずそういう境涯がある。変わったということを最初の励みとして掃除をする。

私は、大学生の時、一生懸命洗濯して、乾燥機がないから外に干しますね。外に干すと乾くまで時間がかかって、時には雨が降ってくる時もあります。そんな時は、瞬間にバッと起こされますね。それは掃除の神様か何かは分かりませんが(笑)。早く取り込めと、起こされてしまうんですね。掃除ということを丁寧にやっていくと、濡れないように知らしてくれるという世界もありますけれども。要するに気が変わりますから、掃除は良いんだということを体感すると良いのではないのかと思います。掃除した時の、その極致が第6種鎮魂作法ですね。広く言うと、色々と出てきますけれども、瀬織津姫神、常不軽菩薩(きょうふきょうぼさつ)さんという一番汚いものを綺麗にする。

特に、本当は天津神で言うと、伊都能売神というのが一番汚いものを綺麗にする神様なんですね。11神あって、その中で一番汚穢の神様、伊都能売神という神様がいらっしゃいますが、そういう神様が一番下で綺麗にして頂いているということ。意識で言うと、曇りのない心の状態にするということですね。

今日もまたよろしくお願いいたします。ありがとうございました。