0135話:2017年06月09日

◇転ばぬ先の杖

思い浮かんだのは、転ばぬ先の杖というかね、だんだん年を取ってきますと、転ばないように予め杖を持って歩くわけですね。スフィンクスの謎掛けで、朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の動物はなんだ、というのがあるんですけれどもね、答えは人間という話があります。要するに、転ばぬ先の杖ということは未来形ですね。本当だったら起こることを起こらないようにする、という未然法の方法が杖にはあります。

子供の頃読んだ小説で、梶井基次郎という方の「闇の絵巻」というものがあります。その泥棒は杖を持って、闇の中を一目散に走るんですね。泥棒でさえも逃げ方があるということで、凄い印象に残っていました。それで絶対に捕まらなかったという泥棒がいたらしいです。それが小説になっています。ある面では、転ばないように精を出しているわけですね。

口から出る言葉で、前の先を安全にしている、このお祓いは言霊が転ばぬ先の杖なんだということを言っちゃうんですね。それは古代から器の教えとしてあって、刀とか、剣とかが一番の器の教えになるわけですね。杖の場合では、一番必要なものが杖だったみたいで、木の杖もあるのですが、杖の話となると、例え話が沢山あるのですがイギリスの貴族たちは杖を持っていたんですね。野獣に襲われた時に回避する為に、それを持っていたと言われています。僕はその杖を持っていたことがありました。ただ、ほとんど背中のコリを取るのに使いましたが(笑)。

◇言霊が剣になり、それで命を守る

話が長くなりますけれども、アロンの杖というのがここにあるんですね。隕石で作った杖で、アロンの杖に模して、神事で出たものを再現して隕石で作った杖がありますけれども。日本では東村山の水道局が金属棒でダウジングして、水道管を探すということをやっていたそうです。杖の叩いたところから水が出たというのが、弘法大師の杖ということになりますけれども。だから身を守ったり、水を出したりということがありますけれども、それの意味合いが身を守るということの意味で、それが器の教えとなりました。

杖というものが形のないところで、もちろん後になると、身を守るということの意味で、剣や太刀になるわけですけれども。それを剣のように、剣を象徴にすると、舌とか言葉が剣になるわけですね。だから言葉というものが、転ばぬ先の杖で、いい加減な論理であったりします。言霊が剣になる。それで命を守り、転ばぬ先の杖となります。過去も祓うのですが、未来を、前の先を祓うんですね。それが未然法の祓いと言ったり、過去・未来の法と言ったりします。兵法ですね。戦というのは負けたら終わりですね。負けない方法としての兵法をみんな身につけようとするわけですね。

一般的には、占いとかそういうものが多いですけれども、本能寺に行く時も、実は信長はちゃんと占っていたんですね。絶対に負けない方法はあるにはあるんですね。そういう占いを超える中身というものが、やっぱり得られなかったということが負けた理由ですね。

◇時間を超えて今を実感できるようになれば無敵になる

我々は言霊と、鎮魂と、祓いというものという実践論を持っているわけだから、どんな状況になったとしても大丈夫ですよ。流れによって速さが違います。情報流、商流、物流、金流というものがあります。要するに、お金の流れというものは最後になるんですね。その時での見え方であって、それは中にどういう情報を持っているかということが一番の強いエネルギーであり、力になるんですね。そういうものを見ていないと、お金の流れだけを見ていると、正しく見えないですね。会社の決算というのは、過去のものを一年間で見せるものですね。だから、時間を超えて今を実感できるようになれば、無敵になるということですね。万軍の主にお願いして、見えない所の軍隊を呼ぶ必要はないんですね。今のこの瞬間が永遠という自覚に立つことが可能になれば、全然、何も問題にならないわけですね。

◇一番強い杖、絶対に転ばない杖

明日、6月10日は時の記念日ですね。時というものを超えるということは、今は「時は金なり」と言ったりしています。そういう世界を実現できるには、過去、未来というものを今に行えるような手段、杖を持つということですね。

それが祓い、鎮魂、言霊の中にあるということですね。それは一番強い杖、絶対に転ばない杖ですね。悪いことが起こっても逆吉に変わるんですね。欲望を求めてもいいのですが、必ず欲望というものは実現することと実現しないということが、欲望を発した瞬間に起こってくるわけですね。だから、自然でいることが一番安全で凶を引き込まないということですね。凶を引き込んでも、逆吉にしても良いのですが、それは4、5倍、普通のエネルギーよりかかるので、一般的には、その方法は取らないで、凶を避けるという意味で、避凶(ひきょう)で良いんですね。

◇思考を瞬間に止めてしまう術があれば、悪いことは起こらない

命運というものを超える方法が色々とありますが、良い方に行こうとしてもがくと、その反対も必ずあるので、悪い方に行ってしまうということもあるんですね。だから、良いとか悪いとか心の中で出さないということが、鎮魂ということの意味ですね。それが一種の思考停止のように見えるのですが、その瞬間に止めてしまう術があれば悪いことは起こらないんですね。

精神の病になるということは、同じフレーズを自分の脳に書き続けるということが起こるんですね。僕は心理療法を30年位やっていたのでよく分かります。みんな書き込みを脳の至る所でやるんですね。あるいは同じフレーズを一個所に、ずっと書くかのどちらかなんですね。思念で繰り返し言ったりして、脳の中に書き込むことで起こります。それを止めれば瞬間に止まるんですね。それは自己の業みたいなものですね。命がある限り続けて書く、それが病なんですね。止めると決めれば、それで終わる。転ばぬ先の杖を自在に使えるようにするのが、祓いと、鎮魂と、言霊の技術なんですね。

今日は別の角度から言ってみました。ありがとうございました。