0140話:2017年06月16日

◇祓いは鼻呼吸

祓いというのは鼻呼吸なんですね。吸う時は鼻で吸うんですね。これが大事なところです。吐く時はもちろん、口から吐くわけですね。要するに、人間の五臓六腑は、ほとんど不随意筋です。自分の意志の思い通りにいかないものです。自律神経に支配されているというか、自然に反応しているものです。

しかし、肺だけは呼吸筋というか、あるいは横隔膜神経とか、肛門括約筋と連動して意識的に動かせる随意筋ですね。吸う時には、肛門括約筋は閉じて、吐く時には逆に開くというかね。口のところと逆のことをしているわけですが、色々な筋肉は連動しているのですが、不随意筋を随意筋に変えていくというか、そういうことが唯一できる場所、2歳5、6ヶ月で呼吸器と食物のところが別々に分かれて、それで人類になるという捉え方もあります。要するに、随意筋になっていくということですね。腹式呼吸というのは、要するに、呼吸をコントロールするということは、随意筋になるということですからそれが大事なところですね。

ヨーガでは呼吸を止めるということをやる場合があります。ゆっくり吸って、しばらく止めて、また吐くという方法があるのですが、それも若い時にやって大変な目にあいました(笑)。呼吸を止めるということをやると、無呼吸症候群と同じような症状となりました。それをお祓いで直しました。我々は自然にやってしまいます。ヨーロッパの音楽はどちらかと言うと、口呼吸なんですね。西原克成先生(日本免疫治療研究会会長)は、鼻呼吸だと、鼻から寒い空気を鼻で暖めたり、ばい菌を集めて殺菌して、肺の方に良い空気を持っていくということをやっているわけですね。鼻が使えなくなると口呼吸となり、そのまま細菌が喉や肺に入って感染症の原因となりやすくなります。そのように鼻で呼吸するということは非常に大事なところです。

◇息を出しきって少し苦しくなったら吸うということを意識的にやる

鼻呼吸をするということは、ある面では随意筋のようになるのではないのかということがあって、必ず吐くのは自然にお祓いと一緒になりますが、吸うという時、意識してやるということですね。息を出しきって少し苦しくなったら吸うということを意識的にやるということが大事だと思います。

随意筋と不随意筋の関係は非常に大切になってきます。だからお釈迦様の最後の呼吸法というのは数息観というものがあります。ヨーガや禅の中にも流れていますけれども、息が入っていく時、出ていく時、喉で数える。入っていく時を意識するということをやるわけですね。それが呼吸法になっていますけれども、お祓いでは、やってはいけないとか、こうしなければいけないということはないです。どこで切っても構わないんですね。最初のところが「とほかみえみため、とほ かみえみため、とほ」で切って、「かみえみため、とほ」で切ってというところだけですね。そこしか合わせるところはないです。それ以外は、合わせなくて良いということですね。祓いの途中でどの段階で吸っても良いということですね。ですから、どの段階でも「とほかみえみため」だけは良いのですが、後は自分の自然の呼吸で、どこからでも鼻から吸うということをしても良い。吸っている時は、しばらくはお祓いを言わなくても良いです。たぶん、脳波とかでもそうですが、ゆっくり息を十分に出したら吸うということが、一番脳波がゆったりとした状態となるということですね。息も自然にするのですけれども、苦しくなる前の段階で吸うという意識があって、また出るというかね。このところが非常に大事なところです。

ハタ・ヨーガでは心臓を止めるというような方法もあります。全く空気のないところでやるということを稀にやるんですけれども、そういうことをやると、僕もやってみたのですが、変なことになりました(笑)。出来るようになるんですね。ただ、健康の為に良くないかなと感じました。呼吸を長く止めるということはお勧め出来ませんね。ただ、息は瞬間に止まるんですね、反転するわけですから。吸ってから、止めて吐き、止まって吸うということをしているわけですから、止まるということと、止めるということは、随意・不随意筋のような気がしますが。だから、お祓いで息を出すということですと言語に出すということ自体が、もちろん広い意味では随意筋だと思うんですね。だから、言語と息とが上手く働くということは、やはり自然の呼吸が良いのではないのかなと。自然でありながら、意識するという呼吸法は、腹式呼吸でそのようなトレーニングがあるわけですけれども、随意筋にしていくという呼吸法では、腹式呼吸のようになるというかね。もっと言えば、肛門括約筋と横隔膜神経と呼吸筋と口の中が連動しているというかね。それを働くようにするというかね。

◇「空気」と「気」を取り入れる

気の入れ方、使い方もそういうことですね。気を上手く使うということは、取り入れるということがポイントになります。気功法で気を取り込むということは、肛門括約筋を締める時に気を取り入れるという方法もありますけれども、気を取り入れる時、吐いて吸う時に取り入れる準備をするということですね。呼吸は単純に空気の気を取り入れるだけではなくて、いわゆる宇宙のエネルギー「気」を取り入れるということですね。そういうことが今まで曖昧であったということですね。でも、その気を取り入れるということも、これからの時代に科学になっていきます。とりあえず極端に言えば、身体に何か悩みとか問題があったら、ゆっくり呼吸する、あるいはいっぱい吸って、いっぱい吐くということが一番の大きなエネルギーになって解決していくんですね。だから、もちろん足らなくなったら、ストレスがかかった時は、呼吸が浅くなるので、その時に吐ききってから吸うということを何度かすれば良いと思います。

過呼吸症候群というものがあります。それは息を吐かないんですね。とにかく、息を吐くということはどちらかと言うと不随意筋になっているんですね。それを意識的な随意筋のように意識してやると、変化して良くなります。後ろから拝見していて、皆さん、鼻から吸っていないように感じました。西洋音楽では、凄い呼吸の音が聞こえますよね。結局、鼻から吸わないで口から吸ってしまうんですね。そういう風になる前に、呼吸を鼻からゆっくりと吸って良いです。息を吸っている間は声を出さなく良いです。どうしても一緒にやらないといけないと思うと、急な息となるから、ゆっくりと鼻から吸うということをやって頂きたいということが今日の感じたところです。

ありがとうございました。