0141話:2017年06月18日

【水無月月次祭文】

◇大祓の根拠

今年も、もう半年経つということになりますけれども、

「矢のごとく 月日のこまの早ければ むなしく過ごすな おしきこの世を」

と言う歌があります。

6月の晦(つごもり)の大祓、6月30日に大祓をやります。毎日、大祓をしているわけですが、6月30日ということで、新たに大祓の根拠というものを明確にしてやろうということになっています。

◇国を守る方々にあげる大祓

大祓というのは、大伴氏とか、佐伯氏というのが国を守るということをやっていましたので、その方々に祓いをあげるということが書かれているわけですね。大伴家持という万葉集の歌人がいます。その大伴氏に並んで、佐伯一族がいますが、冶金工学といいますか、国を守る為には、兵と財というか、金を算出するということに携わるということもあり、今、菱刈鉱山には、まだ200トン位埋蔵量がありますけれどもですね。ジパングですから、金は相当あるのだと思うのですけれどもね。まぁ、北朝鮮にも沢山あると思いますが、日本にもまだ沢山あるようです。そのように金を掘っていたんですね。

国を守る方々、部族長であったりするのですが、そういう方々を祓うということが一種の神祇官の役割ということになりますけれども。そういう丁度、6月の晦(つごもり)に、今回は大伴氏が、国を守っていた時の境地が、大祓の前段と、それから大伴の歌の中に、第2国歌とも言われる「海行かば」という歌があります。

「海行かば水漬く屍、山行かば草生す屍、大君の辺にこそ死なめ、かへりみはせじ」

という歌詞です。それはまさに大伴氏の境地というか、そういうものを述べています。聖武天皇の詔(第13)の中にもあるのですけれども。

なぜ、自らの身を顧みず、大君の辺にこそ死なめ、という境地になるかというと、やはり当時は、氏族の集合体の民ということであったと思うのですけれども、現代で言うと、人類という大きな天壌無窮万世一系という、代々限りなく続きますようにという願いは、まさに人類というものの存在、我々、命を同じくして共振共鳴している世界中の人々のあり様というか、そういう存在が限りなく続くようにということで、今の時代ではそういうことがある。

世界には王家が沢山あります。その中で一番古い日本文明の中に古神道、日本語、鎮魂があり、天皇という役割があって、その姿が天壌無窮万世一系ということで、連綿と続いてきた中身だと思います。そのところを境地として単なる氏族だけの話ではなくて、広く人類というものの命ということに繋がっていく世界、それを少なくとも125代から126代になる大きな転換点に自覚していく。戦後70年ということが地球というものを、いやが上にも意識することになっています。丁度、ザ・ワープで学んでいますけれども、3回目の学びの中で、淡路島、縄文、それから熊野というところで学んでいるのですけれども、神武天皇が即位できた一番の功労者は、縄文から次の時代、神武天皇の時代になることを可能にしたのが熊野の方々ですね。我々は音無と玉置の両方が合わさって元熊野という形で協力して、それが125代まで守ってこれた理由ですね。それが各部族であり、八咫烏であり、守る人たちです。またその人達を祓い清めていくということが、大祓ということになります。それが少なくとも、その境地というものは、大伴家持の歌にあるように、守り続けられてきたということが世界にも稀に見る中身ですね。

◇南半球と北半球の鎮魂

秋には、オーストラリア、ニュージーランドに鎮魂の巡礼を30人近くでやって頂こうと思っています。ところが、ネグロイドから縄文と、共に分かれていったアボリジニーと、縄文人の末裔であるアイヌ、あるいは日本人というものが再び出会って、そこで鎮魂をするということを今回企画しています。それは丁度、南半球と北半球の両方が出会うということになります。両方の鎮魂をしていくということで今、用意をしています。日本からもディジュリドゥというアボリジニーの楽器と言われていますが、これは日本の縄文人が、アボリジニーに伝えたとも言われています。その楽器でオーストラリア、ニュージーランドの鎮魂をしてこようということになっています。今日、ディジュリドゥをチタンで作って頂いてMさんがやって頂きましたので、その響きを届けたいということもございます。

◇絶えることなく人類が続いていくということを試される時

我々が今、一番考えていることは、世界が本当の意味で平和になる予兆というか、プレリュードというか、そういう世界が実現するようにということで、今、様々な日本文明の一番の骨格となる天皇という制度、天皇という役割が、世界にどのような形で人類の太陽系における存在として、絶えることなく人類が続いていくということが可能になるかということが、今、試されるというか、自覚されるという時を向かえることになるのではないのか。非常に責任重大というか、1万5千年という中で、持続可能社会を作って実際に行われてきた日本文明の中核にあるものが、今、世界にお役に立たせて頂ける時が到来したと。1万5千年という時間を経てこれたと。縄文から神武天皇にバトンタッチされてから、はっきり分かっている段階で125代ということがあるわけでございます。

出雲の祭祀の富一族の490代の方にお聞きしたのですが、これは4000年くらいあるわけですね。490代という流れもありますが、これも出雲の中身の大和族、天皇にお譲りしたものの形が、御国体机なんですね。内親王達はこの机の上から飛び降りるわけですね。今は碁盤のようなところでやりますけれども、そういう儀式があります。それが出雲から引き継いだものとしてあります。

天皇には最高の御神寳と言いますか、それぞれの部族を統べる役割でありますから、白川はそれを合わせて十種神寳御法という形で伝承して、その中身を伝承してきました。それを代々継承することが皇太子が天皇になるという意味です。それにはご修行の階梯を理解して頂く。十種神寳御法というものに象徴される神法をお授けするということを、各部族が寄り集まってやってきました。大祓は、そういうものが全てシステム的に組み込まれて、その境地を体感出来るように存在しています。その辺りを今、我々は白川の学びの中で可能にしているわけです。

この時代にですね、生前のご退位ということで、言われていたことはですね、実はしっかりと皇太子様の為に用意する時間がある。この十種神寳御法を含めた、全てを用意することが出来るということが、非常にですね、貴重な2年間になるのではないのかと思います。

◇白川学館の復興。白川を守る

今、我々もですね、『小説 すめらみこと(霞ヶ関書房 昭和48年1月発行)』という森左平さんが書かれたものの中に、白川の中村新子先生の果たさんとしたことが書かれているんですけれども、そのことも含めて、今、復刻をしようと、「人類の帝王学」という本もあるんけれども、出来れば2つを復刻したいと・・・。

このところもそういう、我々がですね、能澤さんと白川を探し、当時の調査部長でした、神社本庁のですね、岡田米夫先生からお聞きして、初めて八日市にお邪魔してですね、高濱浩先生のお姉様から、推薦を受けてですね、学ぶことが可能になったのでですね。それが神社本庁の調査部長の岡田米夫先生がですね、昭和27年に調査した時の内容をお教えて頂いて、そしてそれを元にして、現代の白川学館という形でですね、復興することが出来たわけですね。ですから、これは必然というかですね、明治以降の和学教授所、あるいは、造化三神神殿教会というような高濱清七郎先生や、宮内忠正先生のもたらして頂いた、守って頂いた中身が、今現在、白川学館として守ることが可能になり、そして皆様と共に、陛下の御心をもってですね、ここに学ぶことが出来ているということは、非常に意義ある、あるいは、勇んで出来ることではないのかと言うふうに感じております。

いよいよですね、そういう、丁度6月にもう一度大祓を見直してですね、大祓の境地と言いますかですね、日本の国の一宮の64所と言いますか、あるいは今は、78の一宮がございますけれども、その一宮の神々をですね、三種という世界で神々にご臨在して頂いてですね、この白川を守るということが出来ると言うことはですね、非常に意義深いことであります。今、我々も鎮魂というものとですね、言霊というものと、祓いと、古神道である、その元にある先祖としての天皇というこの4つをですね、統合した形で、その情報で言いますかですね、次第に明らかになって、その守る人と言いますかですね、理念と人と、それから、いわゆる形としての器の教えですね、器が集まって、いよいよそれがこの時代にですね、世界に堂々とですね、集まってきたといういうことがですね、はっきりと言える時がきたなと思っております。ですから、我々の日々の大祓がですね、いよいよこの世界の、あるいは人類の安寧と言いますか、そういうところにお役に立てるのではないのかということでですね、皆様方の祈りを共にして頂けるということ、あるいは集まった鎮魂のですね、あるいは器の、あるいは言霊の、その内実と言いますかですね、それをしっかりと共に掴んで頂いて、それを世界に広めて頂くということが、非常にこれからの白川学館としての役割になるのではないかということも感じております。

2017年の半年というかですね、今、一番大きな不安材料みたいなものは、経済であるし、政治であるし、次々に様々な形でもっておこっております。日本でも色々、その日本の国というものを貶めるが為のことになってしまっていることが多々おこっています。そういうものを含めて、経済と、そしてそれから政治というものをですね、混乱というものがこれからの時代の中では、さらに加速されるかもしれませんが、一方でまた、それが平和と言いますか、安定というですかね、そういうものの転換点になる道がですね、どうも開けて来ているのではないかと感じておりまして、そのあたりを共に見据えながら、皆さんと共に腹を据えてやっていきたいということを感じております。

今日はありがとうございました。