0145話:2017年06月21日

◇世を救う祈り

このところ救世主の条件のようなことを言っているのですが、今日感じたのは、世を救う祈りということですね。大祓というのは、宣命というか、神の言葉というか、祈りですが、祭事の体系としては、人間の命の元になり、一番使う水に祓いの言葉を入れることがあって、最後に海に流す時の祈りに大祓をあげていたようですね。そういう時代もあったようです。キリスト教だと主の祈りがありますね。宗教には祈りが必ずありますけれどもね、そういうものを持っているかどうかが非常に大事なところになると感じました。

奈良毅先生は、内的な世界で、真道(しんどう)国際センターということで立教したことが30代でありました。お母様は、天台宗の一派の教祖様だったから、その方が亡くなった後、神降ろしをしたら、平凡な人間でいろ!と言われたそうで、宗教団体を継がなかったそうです。それで、インドで12年くらい修行をして、日本に帰ってきてから、日本の神道に触れて、内的な世界の中では、真道国際センターということで立教するんですね。私にその話を最初にしてくださいました。それでその祈りが、宇宙、世界平和、人類和楽、真道即生、祖国安穏、天命完遂、神仏霊人物御感謝と全部入っているわけですね。あらゆる宇宙から始まって、世界が平和になるということですね。宇宙、ならびに世界が平和でありますようにとかね。

祈りと言うと、我々は大祓という祈りを宣命を頂いて、本来は、6月と12月の晦と大晦日の2回だけ宮中の官僚、役人だけにお祓いをしていました。その役人も各地に散らばっていて、守っている人たちを中心として、四伴男(とものを)というか、部族長のようなところにお祓いをするということでやっていた中身であるんですけれども、次第にそれが神社で、一般の人たちにお祓いをするということで、だんだん広がっていったということですね。それが社会体制になっていたということの一つの国教ではないのですけれども、祈りというものはどうしても必要というかね。きっと宇宙が始まる時は、布斗麻邇ということも、一種の祈りというか、最初に別天神ですから、神様が一旦、現れるのですが、また身を隠すということなんですけれども、最初の五行と言いますか、宇宙を認識する太陽系の中の地球ということで、地球の中の五行ということが始まるということで、自然神と言いますかね。今で言うと、自然神というようなものに仮託されて、存在というものが出てくるわけですね。その中で出てくる「あいうえお」が言葉になるわけですけれども、そういう母音から出てくるというかですね。ですから、布斗麻邇の先天的に言えば50音ということであるのですけれども、それを後天的な、我々、被造物としての存在が神を自覚する為の、そういう音として繋がるというかね。

◇造化三神と父韻・母音・子音

そういう仕組みで、布斗麻邇が人間の世界の概念として実体化するということですね。一つの振動数として、実体化して、それが宇宙というものになっていく、構成されていく時のあり様が、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神という造化三神というところで行われるわけですね。ですから、これはきっと音韻学的に、三語が出てきたかもしれませんけれども、人間が後天的にやり出したということでの母音というかね。

昨日もSさん(門人)が言霊百神の英語訳をやって頂いているのですが、もう2年くらい苦心されながら、挑まれていますけれどもね。小笠原先生にある時、ダンボール箱があって、それを捨ててこい!と言われました。それは全て言霊百神の英訳本でした。その時、僕は一冊くらい残しと置けば良かったなと(笑)。それが結局、国会図書館に残っていたので、なんとか参考にするようにということでお渡ししたのですが、その英訳は直訳であって、先生がダメだと言っていたことがよく分かったのです。それを今、Sさんが翻訳してくださっています。Sさんは2年間、一緒にiCLAの神道のワークショップの通訳をして下さいました。

どうも彼が言うには、聖ステファン教会の「あいうえお」は、「あいうえお」ではなく、「あいうえを(WO)」の、つまり、半母音と母音が合わさっているような音だということでした。要するに、人類というのは、母音が父韻という概念がないだけで、それは日本が150年くらい前に、そのことをはっきりと自覚したのですけれども、父韻がないから、母音と子音と言っているのですが、母音がやっぱり一つの大事な宇宙の始まりというかね。そういうものが造化三神の中にあって始まっているんだと。初めに生み出した時の、それが宇宙というものの全体像というか、その結びを作っているというかね。

宇宙というのは基本的には、創造意志から見れば、まず創造意志の離散値があります。意志が出ていく姿であるし、それが循環して戻ってくるということが、我々は、平面としてはメビウス、立体ではクラインの壺と言っているわけですね。それが瞬時に戻るということが、この中でやっている祓いの世界でもあります。造化三神というものがそれを構成している。それが天之御中主神の離散値であり、高御産巣日神、神産巣日神の結びの技、すなわち循環であると。

ですから、一旦、創造意志として宇宙が創造されて出ていくんだけれども、それが瞬時にメビウスのように転換して戻ってくるというような姿が、結びということに強引に日本の神話を、そういう数学の、メビウスとか、クラインの壺とかは、一種の新しい概念かもしれませんが、一種の数学ですね。そういうものが今度は、電気、磁気の振動によって今度は形態化され、現れるというかね。そういう全体系を構想しなければいけないというかね。そういうことが数学や、物理学や、神話学を通じて、確かにその通りになっているということを結ぶという技。それが丁度、高御産巣日神、神産巣日神の働きということに繋がっているのではないのかということを今日、感じました。

それが要するに、そういう意識がはっきりと出てくるということが、世を救うということは、世の全体像を掴むということであるし、それで良しとするという実感が得られるということが、宇宙を掴むということであるし、それがきっと救世主の概念として、齎すものに繋がるのではないのかと。その方法を持たないと救世主とは言えないというわけですね。ですから、当然、神話という一種の古代のストーリーであるけれども、それを現代の知恵に変えられるということが、丁度、今、我々が長い間かかって、学問として完成された少なくとも3000年くらいの間に完成された内容を一つの確認事項として、確かにその通り、然りということを言えるようになる時まで高めていくということが必要なのではないのかと。

◇最初の音を持っていたディジュリドゥ

この秋に向けて、それを昨日、北半球と南半球の音色を一つにする祓いの音にしていくということを、今、Nさんも含めて、オセオニアの旅行も兼ねて、北半球と南半球を結ぶというようなことをしているわけですね。それはだから、渦が違うわけですね。渦が左巻きと右巻きという違ったものが合わさっていくというようなことを、今まさに、大祓の音色で、北半球でやって、今度、南半球でやって合わせると。

それが、ディジュリドゥが最初の音を持っていたと。それはディジュリドゥの音を発生する周波数が「あいうえお」であったということになるというかですね。それを結ぶ楽器として、それを今回は日本から、素材としては、竹、楓の木、チタンで作ったディジュリドゥで、「あいうえお」をしっかりと結び、それで鎮魂をするというかね。この楽器を守ってくれたわけですね。「あいうえお」を発生する一番太古の楽器ですね。口であると同時に音になっているというかね。

「あいうえお」を掴むということが、まず最初の造化三神の働きということになっています。もちろん、我々が大祓をあげるということは、構成された五十音によって行われるということにも、また繋がっているわけですけれども。そのようなことを本日は感じました。

ありがとうございました。