0310話:2018年01月08日

後七日御修法での代表挨拶

お楽にしてください。だいたい、この絨毯のマンダラが、この絨毯を織ったのがイランのイスハーハンで、東アジアと西アジアが、シーソーゲームのように東アジアが平和になると中近東が戦争になるという、こういうシーソーゲームになっているんですね。今、東アジアがオリンピックの前であるけど、正月から金正恩主席が平和戦略を取っていますけれども、あそこまで持っていくまで彼らの戦略でも、まあ、それはそれとしておいて。

◇密教の戦闘的強さを取りいれた

ちょうど、この五大明王も勇ましいというかですね。元々これは密教というのは7世紀くらいの、イスラム教と同じくらいの歴史で、仏教の中の密教は始まったんですね。コーランは、要するに、イスラム教はコーランか剣かどっちかを取れというふうに、やってきたんですね。要するに、インドあるいはアジア大陸では、争いの中にあったと、ですから仏教の中の密教は、先鋭的戦闘的宗教であったわけです。五大明王は、ほとんど剣とか武具を身に着けている姿をしていますね。しかも手もたくさんあるし、そういう何というか非常に戦時的というか。

それをその部分の強さを、神道は借りて取り入れたということですね。後七日御修行法という、正月の七日は白川でやって、あとは真言密教でやるというか、玉体の安泰、健康の問題と祖国の安寧というんですかね、そういうことを願ってお祭りするという訳ですけれども。

言って見れば、この仏教は、非常にこう戦闘的な密教にあるんですね。木火土金水の金なんかは金属を手に持つ武器として、説教者が敵に対して投げつけるものが、密教の法具ですね、金剛杵(こんごうしょ)の独鈷杵(とっこしょ、どっこしょ)、五鈷杵(ごこしょ)などありますが、もちろん仏様に心の煩悩を打ち砕く法具としてお祈りすることがあるんだけれども。一方では投げつける、戦闘用具としても存在するんですね。ですから、思いっきり名前もそうですよね。明王とか軍荼利明王とか大威徳明王とか、五大明王というのが、そういう軍とか戦闘に関わるような名前が付いているんですね。そういう部分を神道がお願いするということになったんですね。だから、大元帥明王というか、国と国土を護る場合には、絶大な功徳を発揮する、まさに戦闘の時、先頭に立つ人たちのそういう名前が付いているんですね。

◇両界曼荼羅というシステム

この両界曼荼羅は、だいぶ落ち着いてから出来たものというかですね。哲学的な表現と言うかですね、宇宙全体と宇宙の始まりというようなものを、金剛界、胎蔵界ということにして出来ておりますけれれども、胎蔵界の真ん中の八仏の下に五仏がありまして、これが五大明王ということになると思うんですね、そういう名残があるんですけれども。この2つの曼荼羅を空海さんが唐から持ってきたんですね。

これは宇宙の1つの働きというかシステムのようになっているわけであって、それで日本に密教の両界曼荼羅が一つのシステムとして千年以上前に入ってきた。
そしてそれを記念して、またコンピュータの中にそういうビジネスマンダラという形で体系付け出来たということもあったんで、これを記念して、ネパール密教の聖地にお寺を寄進したんですね。その時にはギアナ・マンダラ・ビハーラとして、知識山曼荼羅寺というお寺を建てて寄進したんですね。その時に、五大明王とか絨毯も作って、ネパールで描いたり、あるいは作ったものをイランで織ったわけですね。

◇十二神将の図

宮中真言院は、もう一つ、十二神将の図があるんですね。十二神将の図があって、全体になっているんですけれども。皆さんご存知のように、修験でも九字を切るという、「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」という指で作るんですけれども。それも一つの五行あるいは、マトリックスな訳ですね、そういうものを作るけども、やっぱり、臨・兵ですかね、この兵に臨むということで、九字を切っていくということが、非常に正統的だということが密教の特徴ということですね。

それが、平安時代に、空海さんが入れたものも、天皇を御守りする為に、宮中真言院を作ったという、神道の弱い部分というか、神武天皇が、まさに、神の武ということで、一種の王道から覇道を取り入れるということを、ある意味、宣言しているんですけれども。やっぱり、外国との戦いとなるとどうしても不安だったんでしょうね。それで、真言の五大明王を祀る、後七日御修法というものが出てきたのではないかというふうなことが言えるのではないかと。

元々これは、五大あるいは五行から発達したというか、宗教もユダヤ教からキリスト教、キリスト教から流れとしてはイスラム教というかですね。どうしても、だんだんと後になって出てきたイスラム教が強かったからですね、それでも対抗する為、ということになるんですけれども。

やはり、日本でも神道で戦うということは、どうしても、強くなるという方法は、ある面では日本のちょうど戦前の時に、神道を国教化して、国を強くするようなことをして、富国強兵の国家運営がなされたこともあったわけですけれども。

やはり、仏教の密教の強さを借りて、国の経営を行ったのが、平安の頃ではないのかということですね、それが名残として絵の中にあると。これは来振寺というお寺の国宝の図像のものを、ネパールでもってもう一度デフォルメして書き直したものが、この図柄なんですけれども、何れにせよ、非常に強いというかね。

◇仏も元々は神

今回、我々もある面では、段々と組織もあるいは大きくなって、みんな、そういう小さい時は考えもしなかったけれども、そういう呪詛が発せられてきた時に、そういうものに対応して、真言の五大明王の威徳というか威力というかそういうものを我々も身に受けて、そして身を守って、健康やそれから呪詛に対して対応するような形で、お力添えをいただきましょうということになると思いますけれども。

一番の基本は、言霊というか真言ですから、言霊ということになるんですがね。ですから、その言霊の50音、母音父韻子音の有り様というものが、一番はっきり現れているのが、両界曼荼羅であるし、五大明王ということになるんですね。五大明王も、そうとう地水火風空の五大ということであるけれども、五行の木火土金水が、そのまま明王になったのではないかと言えると思うんですね。

それはやっぱり、母音の響きというか、ですから、すべての明王の後ろにある、火炎とうものがありますけれども。これは火だけではなくても、一つの周波数、木火土金水の周波数がそのまま、地球全体になっているということの表現であるし、それがあいうえおであるということになるんですね、ですから、五大明王というものが、一つの母音の働きをしてですね、八父音に当たるものが、胎蔵界のものを生み出す時の仏さんがあって、ちょうど下の五と上の八が掛け合わされるような形で音図になっていて、その働きが広がっていく時の離散していく時の働き、その言葉の働きが仏様になるんですね。

それが、定まった宇宙が、定まった時に、この金剛界というですね、もう壊せない形で、宇宙が確りと出来ましたという時のものが、この9つのマトリックスの絵図ですね、あるいは、真ん中が大日如来ですから、それ以下は8つということになりますけれどもね、広がっている宇宙の全体をマトリックスにしたということになるんですね、要するに、それも働きを一つひとつを我々が、神の働きをお願いするように、それが仏という形の、まあ、仏も元々は神なんですね。ですから、神の働きを仏として描いてあって、そして、それが神道の神様と同数の仏様があるのではないかと、基本数はですね。

◇機置神(はたおかしのかみ)

もちろん、人間には眷属というものがありますから、外々陣にはそういう働きを、仏の働き以外のものも沢山あるということになるんですね、こういう言葉が強い働きを持つということで、我々はそれを機械に置き換えてやったと、それを機置神(はたおかしのかみ)というふうに名付けるということも、それが天にあると天の機置神というふうになりますね、そして、地では機置神というようなことで、一般的には機置神というふうにしましょうと、そして、それをロゴストロンというような形で、作っていますよというようなことがある。ですから、機械も宇宙論に基づいて、胎蔵界と曼荼羅という宇宙論に基づいて作っていますよということで、やはり、これを掲げるということは、こういうことの表現であるというかですね、そういうことに繋がっております。

◇貨幣価値としても高価なもの

この金剛界胎蔵界曼荼羅も、20世紀までの一番の労働とか、絹とか、ウールとか素材もありますけれども、一番の貨幣価値でいうと一番高価なものが、労働の集積とその材料と芸術性というか工芸性とかそういうものを含めたものとしては、一番評価されるべきもので、一番高価な一つの貨幣価値として、表現しても価値の高いものになると、こういうことが言えると思うんですね。こういうものが文化的あるいは芸術的な価値として、ここに作られたということは、シルクロード始まって以来のものではないかと思いますけれどもね。

そんなこともありまして、これをご神体としてですね、いくつか宮中真言院ができる時がくるといいですねと、そんなことで今日は、お話をさせていただきました。

ありがとうございました。