0358話:2018年02月28日

おはようございます。

何か質問はありますか?

 

●Kさん
七沢代表は、たまに武術と白川の関係をお話されますが、私も合気道をやっている兼ね合いで、筋肉ではないところで、筋肉では絶対に動かないようにさせられても、動くタイミングというものがあるんですね。その時は、意識というか、意識の中で、力でないものが働いている感じがすごいあるんです。私なんかは、100回やっても10回かせいぜい20回くらいなんですが。それが、たぶん、白川と何かが近いような気がしています。もちろん、白川があって、その下に武術があるのかもしれませんが、その辺りの関係性について教えていただけますでしょうか。

 

【七沢代表】

◇情報場がどの搬送波を使うのか

甲野くんともよく話をするんですが、普通は、相手との接触面で、情報のコミュニケーションをしているので、身体と接触をすれば、すぐに、相手の情報がはっきりと分かるんですね。ただ、接触しないでも、伝わる情報場というものもあります。

例えば、白川の場合では、天皇陛下に触ることが出来ないわけです。だから、衣を揺らして、健康を維持したり、その状態を知るということを行っていました。健康の状態を知るために、糸脈と言ったりしていました。だから、情報場が、どの搬送波を使うのか、どの波に乗って伝わるのかということです。つまり、空気を介在するのか、真空なのか、あるいは、物理的な接触なのか、光なのか、音波なのかという違いがあるわけです。

例えば、白川で、神をお迎えするご修行がありますが、その場合でも、身体に直接、お迎えするわけではないので、そういう違いがあります。

だから、様々な階層やレベルでのコミュニケーション情報を出し合っていて、それが端的には、脳波、脳の振動に出ています。そういう波と同調させることで、脳のテレポーテーションを起こして、相手と離れていても、あるいは、接触しなくても、技がかかることもあるわけです。

西野皓三といって、バレエ出身の方なんですが、その西野さんが、甲野くんに技をかけた時に、心理を操作して、技をかけてきたと聞いたこともあります。なので、心理操作も、光波という光の波を使うこと、あるいは、音波を使うこととか、異なった方法もあります。音波も、気合術になったりもしますが、音でもって驚かせるような、そういうものもあります。音なんかは、先に音がしているので、それを音が出る前の振動を察知するんですね。例えば、「エイッ」とか言う時に、すでに、「エ」の音がする前に振動が伝わってくるわけです。なので、その音なき音を察知するトレーニングをするんですね。

強く風が吹いて、ドアが「バタン」と閉まった時、その「バタン」という音でびっくりしますよね。ただ、その音が鳴る前の気配とか、風圧とか、そういうもので感じるようになるんです。そうすると、驚かないわけです。だから、気合術も、声を使うような音波で、空気の振動を先に知るなど、色んな手法があるので、そういう意味で、どのレベルの武術なのかということですね。

だから、戦争だと、相手の身内を絶つというところになります。ただ、完全に絶ってしまったら、使い物にならないので、一旦、仮死状態にする方法とか、後で、生き返らせるなど、色んな技がありますね。柔道でも、締めて落とすとか。あれも、一種の仮死状態にする技ですね。なので、極端に言うと、戦争でも、奴隷にするために、一旦、仮死状態にするような技が使われてきました。

◇天皇陛下には触れられないので・・・

話を戻しますが、白川の場合では、様々に離れても、手かざしとか、音でも右旋、左旋というふうに、祓いも左旋の祓いと右旋の祓い、あるいは旋転する祓いとかがあります。天皇陛下には触れられないので、そういうものを、使わざるを得なかったわけですね。

水で身禊ぎを行うのか、音で洗うというか落とすのか、そういう違いが出て来るわけです。禊ぎ、祓うということでも、どの回転方向が、どの神に当たるのかということが、決まっているわけですね。例えば、回転方向の使い方も色々あって、右旋を止めて左旋ということの繰り返しをすることになると、次第に高速化していくことになります。

音は、空気中の伝導だから、331〜338m/sとか、気圧や温度、湿度によって、速度が異なってきますが、それを、使うにしても、次第に、高速化します。水の流れもそうですが、回転も止まって、反転すると、どんどん高速化します。

◇言霊武道(布斗麻邇武道)が出てくる

合気道の場合も旋回、旋転が使われています。同じ意味で、白川の祓いも次第に高速化していくわけです。そういう音波の速さもなんですが、思念というか、念波みたいなものの速さはもっと高速になるわけです。階層の中で、色々と出しながらやっているということです。一種の波でも、音の波、脳波、念波ですね。そういう搬送波といって、意志を運ぶ速さが異なっていきます。なので、どの搬送波を、武術に使うかというのが、なかなか難しいわけです。接触面を使うというのは、1番初歩的というか、最初の段階ですね。甲野くんも、若い頃から、ずっととそれを研究してきましたが。

今は、息子の陽紀くんは、言葉で、一種の音波ですね。そういう形で伝えながら、やっていっています。それが、だんだんと進化していっていて、柔道、合気道など、色々とあるけど、幽道、心身を見えないところから誘導をするような、言葉、あるいは言霊による武道、即ち、言霊武道(布斗麻邇武道)が出てくると思われます。

今日は、そんなところで、よろしくお願いします。