0466話:2018年06月13日

◇サンスクリット語でマントラを暗唱すると・・・

”サンスクリット語のマントラを暗唱すると頭が良くなる”という、Newsweekの記事でした。その概要が、1ページくらいあったから、祝殿に入る前に読んでみたんですね。これは、質問なのかなと思って、その辺について、お答えすることにしました。
※記事名:「サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質が増加することが明らかに」。
これは、たまたま、スペインのバスク認知脳言語センターで研究を行なっている、ジェームズ・ハーツェル博士が率いるチームが行った研究なんですが、何で、スペインの山奥の研究所でサンスクリット語の、そんな研究をしたのかなと思ったんですね。
サンスクリット語は、もちろん、世界で一番精緻な文法であって、古代からあって、世界に研究者がいますからね、研究に値する難しい言語でもあるんですけれども。
日本語も、最初は八父韻だったと言われていて、母音がもっとあったのかもしれませんけれども、朝鮮語なんかは、二十一くらいあります。だから、母音を研究するのに、日本の五母音なるものには、どうもサンスクリット語の文法を土台にして、インドの坊さんたちが来日して、研究されて、それで、五母音にしたのではないかと。ここにも来られたことがある中島先生という密教の研究者からお聞きしたこともあるんですが。
その研究、サンスクリット語というのは、非常に頭を使う言語だということで、それを使う人達自体が、頭がいいのかもしれないから。差し引かないといけないかもしれないけれども(笑)サンスクリット語のマントラを唱えたら、頭が良くなったという研究があるということなんですが。

◇スペインの山奥、バスク地方の地勢と言語

そのバスクの話に戻ると、何故、特別かと言うと、母音がはっきりとあるということだと思うんですね。バスク地方の方は、独特な西欧の言語とも異なる上に、充実した文化を持っているということで、独立運動があるくらいなんですが。
そのバスクの人達というのは、山の谷間の上の方に住んでいるから、意志を通じ合うのに、言葉でする場合は、1キロ、2キロ先に通じないといけないわけですね。昔は、20キロくらいの距離で、意思疎通していた場合もあれば、遠く離れていても、テレパシー的なものに繋がるような音で、楽器でもそうですが、ディジュリドゥもそうだし、ジャイロホンもそうですが、木琴とかそういうもので、伝えられるような周波数を持っていたんですね。だから、「誰が具合が悪いから、帰って来い」とか、意味の伝達も楽器でもやっていたんですね。たぶん、元は、声でやっていたと思うんですね。その場合、要するに、母音を長くしないとなかなか、意志を取りにくいから、言葉が意味が通じないから。たぶん、母音が、発達したんじゃないのかと思うですね。
海上、海の人達というのは、魚は、声を出しても逃げることはないから、それでもって、母音が発達したんじゃないのかといわれているんですが。
一方で、陸上で、鳥とか動物を捕獲する場合には、動物のような瞬間の鳴き声のようなもの以外は、母音を長くすると、獲物が逃げちゃうんですね。だから、そういうことが起こったんじゃないかと思うですね、母音を使わないと。
ピグミーという種族の言葉というのは、不思議なもので、口の中で、くちゃくちゃ子音を言うだけですね。それでもって、通じ合うというか。人間というより動物の感じがあるんですが。
たぶん、バスク地方の言葉は、そういう母音が発達して、ヨーロッパにあるような言語ではない独特なものが、出来てきたのではないかと。

◇お祓いはマントラ

面白い話があります。フランスのバイヨンヌにあるバスク民族博物館に「かつて悪魔サタンは日本にいた。それがバスクの土地にやってきた」と残っているそうです。印欧系言語から見て話しにくい日本語と重ね合わせたようですが。そういうことで言語が発達したのかは、もう想像ですからね(笑)そういうバスク語の研究者が、研究していたというのが面白いなと。
たぶん、どこの脳が発達しているかということです。灰白質(かいはつしつ)、灰と書いて、白いと書いて、質、脳の中に、そういうところがあるんですが。あとは、海馬とか、そういうところが、どうも、発達するということが分かってきたと。それは、今、我々がやっている能力開発とも絡めて、マントラを唱えるということは、我々は、毎朝、言ってみれば、このお祓いがマントラですよね。
お祓い、大祓がマントラになって、それを唱えた結果、脳の重さを測ってみたいんですが。私なんかは、時々、脳を触って、「だいぶ、大きくなったな」と思いながら、自己満足に浸っているんですがね(笑)それは、ともかくとして。
そういう毎日やっているお祓いが、要は、我々のマントラであって、それを唱えることによって、きっと脳の開発が行われていると。たぶん、これは、宮中で行われてきたものとしての歌ですね。万葉集なんかは、それこそ、サンスクリット語の手が入ったか、入らないかという頃の風習で、歌会始(うたかいはじめ)の原風景ですね。毎年1月11日に、宮中でもって、歌会始があるわけです。それに独特な節が付いているんですが、ああいうことも非常に長くやってきた歴史があるんです。

◇脳の発達に繋がる一音一音

今、我々も、チャイルド・アーツ・アカデミーでも、神話を読んだり、たぶん、万葉集とかの和歌もやったら良いんじゃないかと。信原さんも、三歳でもって、百人一首を全部暗記したと。暗唱しようということで言えば、一種のマントラを唱えるのと同じなんじゃないかと、万葉集などの和歌集とか、現代では、俳句でもいいんですが。
きっと、日本語の詩というのは、江戸時代の常磐津とか、色んな節が付いた、あういうものは脳の発達に、役立つようなもので、みんな声のイントネーションが、独特なものというか。佐々木先生の分離唱の歌も、マントラになると、今度は、人を治したりするような効果に、繋がっていったんじゃないかなと。そういうことも、考えられますね。少なくとも、そういう我々が、唱えるということを、毎日のようにしていると。また、その仕組が、言霊というもの、布斗麻邇というものにもなるから、その原理を知っていくと、更に、効果が高まると。
古い竹内文書なんかには、「あいうえお」をただ唱えただけ、その当時は、あいうえおという五十音はなかったかもしれませんけれども、それは、今でいうと、「ひふみよいむなや」ですよね。一音一音を、捉えていくということも、まさに、古代、上古代では、そういう言葉を唱えていたということもあるんですね。

◇真言と言霊

これは、白川でいうと、神から言葉をいただいたことへの感謝ということで、お祓いの一二三祝詞をあげるということをさせていただいていますが。だから、これも、マントラというか。我々も、正月は、宮中真言院の古(いにしえ)の設えをして、真言のマンダラを、飾りますが。真言と言霊というものが、非常に近いということは、船井幸雄先生も、よくおっしゃっていて、最後の本も、真言の本でした。
空海さんが、もたらしてくれて、今、我々も、その発想の恩恵に預かっていますが、それがマンダラというシステムですね。既に、千年前に、日本に導入していていただいて、それを、修行の方法として開示していただいたものです。
そして、今も、役に立たしていただいているわけです。だから、真言のマンダラそのものでありますから、そういうものの表現といいますかね、それを使って、我々は、今のシステム開発が出来るということもありまして、きっと、そういう能力開発のところも関わっているのではないかというふうに思いました。
ありがとうございました。